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こんばんわ、あなた後二日後に死ぬわよ。と挨拶でもするかのように壁から 部屋に入ってきた女は俺に言った。そして途中から部屋に入ってきた男に30秒 だけ時間を止めるストップウォッチを10個貰える、と補足を聞く。ためしに一 つ貰い、時間を止めて、女のスカートをめくることに成功した俺は、その効果 を信じるしかなかった。 さて、どうしたものか、と俺は考え込む。すでに時刻は深夜3時。「長考型の ようだね」と死神男は言った。 その死神男と死神女はちゃぶ台の上でブラックジャックをしている。 「ふふ、王様が二人、直々に御降臨なされたわ…!」 「ちょうどいい、ねぇデス、死神食堂のタダ券でも賭けない?」 「…ちょっと待ちなさい。何で王様二人と聞いて賭けてくるのよ」 「そこは自分で考えて。それで、乗るの?乗らないの?」 「わかったわ、少し待ちなさい…」 「うん、よく考えて」 死神男の手札は俺から見えた。伏せているカードは9で、見えているカード は7と7。…バーストしているじゃないか。ふと気がつくと、死神女が俺の顔 をちらちら見ている。乗るべきか乗らないべきか。俺は親指を立ててGOサイ ンを出した。 「ふっ、乗るわ。あなたの敗因は、私には伏兵がいたことよ」死神女が手札 を返す。スペード・クラブのダブルキング。20。 「そう、僕はその伏兵も計算済みだった。君の敗因はそこさ」死神男が手札 を返す。「えっ」「あ、あれ?」死神女と俺は同時に変な声を漏らした。7・ 7・7のトリプルセブン。21。 「ちょ、ちょっとまてよ死神男、今お前手札をすりかえたろ!?」 「そうかもしれないが、君達も僕の手札を連絡しあってたろ。おあいこさ。 …さて、デス。約束のものを出してくれないか?」 「くっ…!」 死神女が悔しそうにタダ券を出した。手がプルプルして泣きそうだ。死神男 が「ごちそうさま」と券を奪っていった。俺も悔しくなって死神のブラックジ ャックに参加した。 本当にこいつらは死神なんだろうか。“俺がストップウォッチを大悪用して 世界をめちゃくちゃにしない限り使用を許す”、と言ったが、それはつまり監 視をする、と言うことだろう。 その死神たちは、俺からブラックジャックで巻き上げた酒を鯨のように飲み、 床で大爆睡している。職務怠慢じゃないのか。 少しフラフラする。窓を開けて換気をしよう。冬の冷たい風が入ってくる。 よしっ、落ち着いた。死神女が「寒い…」と呻く。窓を閉めた。考えがまとま りつつある。 こいつらは間違いなく死神だろう。実際に壁を抜けたり、時間を止めるストッ プウォッチを持ってきたりしてくれた。しかしあまりにも行動が人間的すぎる ので、死神だということを忘れさせてくれる。 そして死神だとすると“二日後俺が死ぬ”というのも事実だろう。そうする とこのストップウォッチは何なのだろうか。こいつだけが意味が分からない。 ・人間的すぎる死神 ・二日後に俺は死ぬ ・30秒だけ時間を止めるストップウォッチ×10(死神の監視つき) ノートに箇条書きにする。やはり三番目が非常に浮いている。…わからない。 俺は投げ出して、ベッドに倒れこんだ。 ふと、死神女が視界に入った。 座布団を枕にして床に雑魚寝している死神女。少し口を開けて苦しそうに 寝ている。ベッドから静かに抜け出し、匍匐前進で彼女の背後に近づいた。 死神男は気がついていない。…くそ、あいつがいるせいでやりにくい。 彼女を間近で観察する。整った顔。豊かではないが、形のよい胸。くびれ た腰。真っ黒な制服とミニスカート。同じく黒のニーソックス。黒一色だ。 心臓がドクンドクンとうるさく、死神たちが起きるのじゃないかと思った。 俺はズボンを少しずり下げ、大きくなった分身を死神女の黒いスカートに 擦り付けた。背筋がびりびりする。意外にもスルスルした生地が俺の分身を すりあげる。小さくさわさわと音が聞こえるが、気にならないほど興奮する。 …少し我を忘れていた。死神女と男を確認する。大丈夫。起きていない。 俺は死神女の足元まで移動する。ニーソックスに包まれた脚を見る。スカー トの中のパンツも見えた。おもむろに彼女の足の裏の匂いを嗅いでみる。生 地の匂いと、人特有の少し湿っぽい匂い。今度は彼女の足の裏に分身を擦り 付けた。サラサラとした生地の感触とともに、彼女の体温を感じる。足先ゆえ に少し冷たい。気持ちがいいのだが、射精に至る踏ん切りがなかなかつかない。 ふと、床にストップウォッチが転がっているのが目に入った。音を立てない よう、静かに手を伸ばす。掴んだ。その瞬間、ストップウォッチのボタンを押す。 空気の振動が止まり、時間が止まったことを認識する。俺は死神女の両足を 持ち上げ、足の裏二つを合わせたその間に分身を滑り込ませた。ビリッと脳が 反応する。生地の感触が、彼女の体温が気持ちいい。亀頭を擦るたびに快感が 全身を突き抜けていく。両足の10本の指の間で擦ってみる。足指のコリコリし た感触を感じた瞬間、彼女の足の間で俺は射精し、黒いニーソックスにぶっか けてしまった。 時間が動き出し、冷静になった頭で考える。 とりあえず死神女の脚を拭くか… 「質問がある」翌朝、二日酔い気味の死神たちに聞いてみた。「お前達は 何者なんだ?」 死神男がすぐさま反応した。「その質問は意味を成さない。僕達は死神。 それぐらい昨日の僕達を見てわかっただろう?」 「いや、スマン。聞き方が悪かったか」俺は少し違う角度から質問する。 「お前達も、もとは人間だった。違うか?」 死神男が「ほぅ」と感心している。正解か。死神女は…青白い顔をしてる。 俺の冷蔵庫からソルマックを取り出して「貰っていい?」なんて聞いてきた。 「どうぞ」と了承した瞬間、彼女はぐいっと腰に手を当てて飲み始めた。 「次の質問、俺はこのストップウォッチで何をすべきなんだ?」 ソルマックを飲み干した死神女が「好きに使っていいのよ」と答える。彼女 の顔を見ると、深夜のことを思い出して少し恥ずかしい。 「わかった、これも聞き方を変えよう」俺は間を取ってから言う。「俺は このストップウォッチを使って何かをすべきなんだな?」 死神男と死神女が顔を合わせる。「答えられないんだ」と死神男が立派に 答えてくれた。これも正解か。 「最後の質問」俺が尚も聞く。「俺も死神になれるのか?」 「君は非常に察しがいいな」死神男が感心しきった顔で言う。 「答えられないの」死神女が答える。 しかし、死神女は親指を立てて答えてくれた。 残りのストップウオッチは8個。 死神になるためには、これで何かをしなければいけない。 とりあえず外に出よう。正解は外の世界にあるはず。 車に轢かれそうな猫でも助けようと思った。死神たちは着いてくる。が、そ んな都合よく轢かれそうな猫なんていない。散歩中の野良猫なら一・二匹いる のだが。…しかたがない。 時間を止め、車通りの多い道路に猫をリリース。時間が動き出し、死神たち の前で「あ、あぶねぇ!」と大げさにわめく。わざとらしく時間を止めて猫を 救出。ふぅ、よしっ、これでどうだろう? 死神たちは「ふ~ん」という顔だった。…違うのか。ストップウォッチは後 6個。 横断歩道を渡れない老人を助けよう。時間をとめて老人を向こうまで運んで やる。死神たちは相変わらず「ふ~ん」という顔。…違うのか。残り5個。 絡まれている少年を不良から助け…違うのか、あと4個。 少し方向性が違うようだ。一旦家に帰るか。 …くそっ、止めた時間を返してくれよ。 「あと、ちょうど24時間だね」死神男が焦らせてくる。 「どうすればいいんだよ…」俺は苛立つ。 くそっ、ストップウォッチを無駄にしてしまった。あの分で痴漢でもすれば よかった…くそっ。 俺は夜食のコンビニ弁当を食べている。死神たちは今日もトランプで遊んで いる。種目はポーカー。今回は負けたほうが酒を呷る方式のようだ。 少しこの部屋は騒がしい。落ち着いて考えるためにも、俺は珍しく居間に下 りていく。テレビでも見よう。 時刻が深夜を回っているにもかかわらず、居間には母親がいた。俺の部屋に は冷蔵庫や電子レンジが置いてあったりと、基本的に母親とは交流が無い。 「どうしたの」 やつれた顔と、かすれ気味の母親の声。 「…うるせぇな」 くそっ、ここにいるくらいなら部屋に戻ろう。気分が悪い。 俺は思春期特有の親嫌い病にかかっている。きっかけは親が約束を破ったこ とだったと思うんだが、今ではそれは口実に過ぎない。第一、どんな約束をし たのかも忘れてしまった。 死神たちを見る。死神女が優勢、死神男は朦朧としている。暑い~と死神女 が上着を脱いでシャツ一枚になった。 「ふふ、きょ~はわらしの勝ちみらいね~」舌がうまく回らないようだ。 「冷静に…冷静になるんだ…」死神男は努めて冷静になろうとしている。 得てしてそういう時は冷静になれないものだ。その後も死神男は負ける。 死神男を潰し、機嫌のよくなった死神女は俺にも絡んできた。2ペアで自信 たっぷりに攻撃してきた彼女だが、3カードでカウンター。酒をグラス一杯一 気させると、「もうらめぇ」と遺言を残して撃沈した。合掌。 あとストップウォッチは4つある。一つぐらい使っても大丈夫だろう。イラ つく心を落ち着けるため、と言い訳して、行動を起こす。 酔いつぶれた死神男を押入れにしまい、死神女に近づいた。 死神女が呼吸をするたびに、胸が上下する。俺は死神女のシャツの上から、 軽く胸に手を添えてみる。柔らかい肉の感触。初めて触る胸はとにかく柔ら かく、そして温かかった。起こさないよう、やさしく触れまわしてみる。 「ん…」と反応。あわてて手を引く。…大丈夫、寝言のようだ。 じかに見たいと思い、シャツのボタンを外していく。ものすごくいけない ことをしている気分になり、動悸が速くなる。シャツを外すと白いブラジャー が見えた、ここで俺は作戦の失敗を悟る。ブラジャーの外し方など知らない。 ここまで来て何もせず引くのは勿体無い、と思った俺は、じかに触ってみ ることを決意。ブラジャーの隙間から指を侵入させる。ぷにぷにと、心地よ い感触。さらに指を深く入れる。むわっとした人の体温と湿度、息遣い。や がて指先に固い感触。見ることは出来ないが、これが乳首か。触っている指が 気持ちよくなるような錯覚を覚える。思い切り触ってみたい衝動に駆られ、ス トップウォッチを使うことを考えたが、ここではまだ使わないでおく。 ゆっくりと指を抜く。シャツを戻していく。…3つボタンを留めたところで 止めた。酔ってたし、自分で外したんだろ、とか後で言い訳できるだろう。 死神女の胸から下を眺める。シャツの間から覗くへそ。腰に巻かれたスカート。 綺麗なラインの太もも、ニーソックス。…俺が昨日汚した足。 死神女の腰元に移動してスカートの間に手を伸ばす。自然に顔も近づき、死神 女の匂いが鼻を刺激する。本能的に顔が股に近づいていく。間近で死神女の股間 を観察する。暗くてよく見えない。指先で触ってみる。胸とは違うが、柔らかく、 ふかふかした感じ。 パンツを下げてみたい。が、尻の部分に体重がかかっているので、一度腰を 持ち上げなければ脱がすことが出来ない。ストップウォッチを使うことにした。 30秒停止。パンツの両端に手をかけて、一気に足元まで下げ、抜き取る。20秒 ほど残った。足を開かせる。…すごい格好になった。時間が動き出したら起きて しまうんじゃないか、と思った。まぁいい、そのときはそのときだ。 時間が動き出す。…大丈夫、死神女がおきる気配は無い。 両足の間に入る。陰毛と女性器を間近で見る。暗くてよくわからないが、陰毛 の奥に何かが見える。これが女性器だろう。指でほんの少し触ってみる。ぐにゅ ぐにゅと変化する形。下着を着けていたからか、少し蒸れている。女の匂いがする。 もう我慢の限界だった。俺は音を立てないようズボンを脱ぎ、正上位の体位。 ストップウォッチを押すと同時に、挿入した。 自分の手でするのとは段違い。やさしく包まれる感じがする。そして熱い。 入れた瞬間にイきそうになる、と言うのも分かる。肉を掻き分けていく感じが たまらなく気持ちがいい。30秒しかない。不器用に腰を振る。死神女の顔を見 る。犯されているとも知らず、眠りこけている。支配欲が満たされていく。悩 んでいたことから開放されていく。すべてがどうにでもよくなる。ただ粘膜が 摩擦する感触が心地よい。死神女の女性器の壁を、俺の男性器で擦る。ぎこち なく出し入れを繰り返す。結合部を見る。入っている。俺が入れている。俺が… 抜く。30秒経過。スカートやシャツ、顔にかけてしまう。しばらくその体勢で 停止する俺。徐々に思考がクリアになってくる。 …とりあえず後始末のために、もう一つストップウォッチが必要そうだ。 死ぬまであと18時間ぐらい。俺は焦り始める。昨夜のアレでストップ ウォッチがあと一つしかない。欲望に駆られた自分が情けない。 死神たちはまだ寝ている。シャワーでも浴びよう。部屋を出て行く。 母親と鉢合わせる。「おはよう」母親が声をかけるが俺は無視する。 「お母さんは仕事に行って来るから…」そうか、勝手に行けよ。てめぇ のくたびれた顔なんてみたくもない。玄関を開ける音、母親が出て行く。 俺の両親はすでに離婚していた。今では母親と二人暮らし。俺はニート。 まぁ、あと18時間ぐらいで死ぬんだから問題ない。死神になれればこの くだらない世界からもおさらばさ。 シャワーを浴び、ソルマックを二本持って部屋に戻る。起きた死神女が ぼーっとした顔で死神男を探していた。俺は押入れを指差す。死神女が押 入れを開けると、死神男が落ちてきた。頭部を強打したようで、呻いていた。 死神女は、夜のことに気がついた様子が無い。二日酔いで具合が悪そうだ。 ソルマックを二人に渡すと、仲良くグッと飲み干した。 さて、どうしたものかと考える。 残った時間で俺は何をすべきなんだろう。 夕方まで真剣に考えていた…が、疲れて少し眠ってしまった。 気がつくと窓の外がまっくら。 ふと、時計を見る。深夜1時。あと30分も無いじゃないか。 やばいやばいやばい。心臓の鼓動が高鳴る。 死神女はいつの間にか酔いつぶれている。死神男は一人でトランプを 並べている。ソリティアだろう。 「今日は勝てたのか」 「冷静に考えることが出来れば、デスにはまず負けない」 言い切った。 「なぁ、教えてくれないか」俺が尋ねる。「どうすればいいんだ」 「冷静になれ」死神男はカードを並べながら言う。パラ、パラ。トランプ を並べる音が部屋に響く。「自分が何をすべきか、なんて教えてもらうもの じゃない。人の顔をみて決めるものでもない。冷静に自分で考えるんだ」 冷静になれ、か。とりあえずこの部屋から出よう。正解は外にあるはず。 1つだけ残ったストップウォッチを持って、ドアを開けた。 「そう、それが正解」パラッと、死神男はトランプを並べきった。 ―――――青年の終末 青年は、母が首に包丁を当てている現場を目撃した。 「おい!」と青年は母親に叫ぶ。 母親は青年を一瞥すると、「あんたさえ…あんたさえいなければ!」と 普段からは想像のつかない声で吼え、青年に包丁の先を向けた。驚愕した 青年は、無抵抗のまま胸を刺された。そして母親も、自らの首に包丁を … 「おめでとう、君は死神合格だ」 「俺…いままで母さんにひどいことを…」 「あなたは30秒を正しく使えたじゃない」 「死神になろうとしたのも、世界がくだらないと思っていたからで… でも、ああ、死にたくない、死にたくなかった…」 「いいの。精一杯悔いて、しっかり死神の仕事をしなさい。ね?」 … 包丁は、ストップウォッチを押した青年の手により部屋の隅に転がる。 母親は突然青年に抱きかかえられた。 青年は穴の開いた肺で、精一杯声をつむぐ。 「ごめん」 最後まで聞こえただろうか。母親に届いただろうか。 「死なないで」
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例のサイプレスSS。飽きるまで続ける予定 オレッポイドはおれじゃないけど正直おれだよね 激烈対抗兵器バンジャム・パイロット版(オレッポイド作) 激烈対抗兵器バンジャム1 激烈対抗兵器バンジャム2 激烈対抗兵器バンジャム3? 激烈対抗兵器バンジャム!?
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(拝啓ピンク色になった貴女へ) 更新日:2021/11/15 Mon 15 46 30 タグ一覧 「リーリー!」 「わっ」 後ろから声をかけてきたのは、友達のプラムちゃんだった。 「へへ、ウェルカムだよ、ようこそオウマがトキへ!」 「あはは、ありがとう」 ここは喫茶店オウマがトキ、お菓子と本のお店だ。 「さてと、何頼む?」 プラムちゃんがメニュー表を見せてくれた。 「うーん、オレンジジュースとショートケーキで!」 「了解~♪」 プラムちゃんは笑顔で手を振り、店の奥に消えていった。 「あれ、リリちゃん?」 「その声は…やっぱり!初先輩」 振り返ると初先輩がいた。初先輩っていうのは、私の学校の先輩。白のメッシュのある茶髪に、黄色の瞳をしたクールな少女だ。黒の革ジャンがよく似合っている。 「リリちゃんもここの常連なの?」 「ううん。今日初めて来たの。友達のプラムちゃんに誘われて」 「そうなんだね」 初先輩の言葉に私は頷き、今来たのかと聞こうと思った。 まぁ出来なかったけど。 「あ!初君!」 プラムちゃんの黄色い声。 初君? 私は訝しげに初先輩を見ると、先輩は苦笑しながらウィンクした。 「もう行っちゃうの?」 プラムちゃんが名残惜し気な様子で言う。 「うん、ごちそうさま。今日もおいしかったってパティシエさんに伝えてくれる?」 「え、あ、うん」 プラムちゃんはなぜか少し複雑そうな顔をした。 「はああああああ!ほんと初君かっこいいなぁ!」 プラムちゃんの言葉に、私は苦笑した。 先輩が女の子だってこと、プラムちゃんはしらないみたい。 プラムちゃんの悲しむ顔は見たくないので、黙っておくことにした。 「リリ」 なんだかいつもより真剣な顔のプラムちゃん。 「初君と仲良くするにはどうすればいいかな?」 「うーん、例えば初先輩の事をもっと知るとか?」 「あー!なるほど!じゃあリリ」 満面の笑みを浮かべたプラムちゃんが、私の肩に手を置いた。 「初君の事教えてね、同じ学校の後輩なんでしょ?」 数十分後、ケーキとジュースを食べ終えた私は、オウマがトキの近くにある公園にやってきていた。 「ごめん待った?」 「ううん全然!」 すぐにプラムちゃんはやってきた。いわく、おなかが痛いから休むって言えばメローナお姉ちゃんなら休ませてくれるし、フロートお姉ちゃんも他の子に気を取られればこっそり抜け出すのは簡単なこと…らしい。 「で、で、初君の好きな物とか好きなタイプとか、知ってること全部教えて!」 目を輝かせながら聞いてくるプラムちゃんに、私は困ってしまった。 初先輩の情報って女の子ってことも含まれるんじゃ…私はさっきの自分の発言に後悔した。 「えっと、何から話そう…」 私は必死に考えて閃いた。 「う、初先輩の声で聞きたくない?」 「え?何が?」 私は覚声機……アイムールを取り出しながら答える。 「私の能力。女児符号とはまた違った物なんだけど『相手の一番聞きたがっている人の声』を真似できるんだ」 「すご!」 「えへへ、それでね、プラムちゃんが本気で初先輩の声が聞きたいって思えば……」 「初君の声になるの?!リリの声が?!」 「プラムちゃんが強く望めばね」 私はウィンクしてアイムールを構えた。 「目を閉じて、一番聞きたい声の人を思い浮かべて」 私の声にプラムちゃんは従い、ピンクの瞳を閉じて祈るように手を組んだ。 私は深呼吸し、プラムちゃんの姿を見つめながら符号を発動させる。 まだ覚声機は使わない。 発動したのは加速符号リードオブルクス。 相手が何を願い、何を欲するかが分かる符号だ。 これを使って、プラムちゃんの心の願いを探る。 初先輩の何が知りたいか、初先輩の声で何を言って欲しいのか、詳しく探るのだ。 人間、人外とわず、心のある生命体の脳の中は真っ暗で、関心ある物事に対してだけ明るく輝く。 創作が好きなら創作に関する事に、空腹なら食事に関する事に、お金が必要なら仕事に関する事に、関心事によって脳は光に満たされ、生命は活動を開始するのだ。 『相手と仲良くなりたいなら、まずその人の考えていることを知りなさい。能力を使って、相手を上手く楽しませれるようになりなさい』 私はミミに——―幼馴染の黄泉河命に、そう言い聞かされていた。 プラムちゃんの心の中に入り込むと、直ぐに初先輩について知りたいことが分かった。 私はいつものように、直ぐに切り離そうとした。 あまり深くまで潜りすぎると、深刻なプライベート侵害になる。 ミミは構わないって言ってたけど、弱みを探ってるみたいで、あんまり好きじゃなかった。 でも、今回は違った。 何かが私を呼び止めたのだ。プラムちゃんの何かが。 待って!いかないで! そう言っている気がした。 私は戸惑ったが、もう少し深く潜ってみることにした。 (あなたはだぁれ?) 心の中で呟くと、驚くことに返答があった。 ———私は……――― 暗い心の中で、プラムちゃんによく似た……でも全然違う女の子が見えた気がした。 ———やだ…お家に帰して…怖い——— 女の子は一瞬で消え去り、私の目の前には深い闇が広がる。 (待って!あなたは!) 「リリ~?遅くない?」 私の中で声が響く。現実のプラムちゃんが痺れを聞いてきたんだ。 どうしよう。さっきの女の子の事も気になるし、プラムちゃんにも返事がしたい。 ———さき……早生!——— プラムちゃんとも、さっきの女の子とも違う声がした。嬉しそうな、誇らしげな男の人の声だ。 ———お前の名前は今日から早生だ!——— 一瞬、赤ん坊を抱きかかえた若い男性の姿が見えた気がした。 続いて、女の人と幼い少女の声が聞こえる。 ———早生、この子のお散歩、ひとりで行ける?——— ———うん。任せてよ!だから安心してお仕事行ってきて!——— ———ありがとう。早生——— 唐突に、病院の風景が映った。 ———ありがとう早生ちゃん——— 黒髪の女の子と早生ちゃんが、病院のベッドの上に腰かけていた。 ———これくらいどうってこと無いよ!……それより美嶺——— 早生ちゃんが声を潜める。 もう一人の女の子…美嶺ちゃんの顔は逆光で見えない。 早生ちゃんは辛そうに言った。 ーーー檸檬もいなくなったのーーー ーーー檸檬ちゃんが?ーーー 美嶺の声が驚きと悲しみに包まれた。 ーー!うん、ついでに太郎も……——— ———そんな……——— ———私、怖くて……もしかしたら次は美嶺じゃないかって!——— ーーーそんなことないよ、私は身体が弱いし、最近学校にもいけてないし……早生ちゃんのほうが心配よ……でも、もしかしたらお猿さんが……私の友達がなんとかしてくれるかもーーー そこで目映い光が起こり、映像は途切れてしまった。正体不明の謎の現象に、頭がクラクラして、目を閉じる。 目が覚めると加速符号が解かれていて、プラムちゃんが驚いて目を丸くしている。 「早生」 気が付くと、私は覚声機で話していた。 「早生、早く朝ごはん食べちゃいなさい」 「え」 プラムちゃんの困惑する声が聞こえた。 「あと、食べたあとはお皿片付けなさい。たまにはブルーベルにも餌さ上げて」 「なに…その声」 私はプラムちゃんの表情にぎょっとした。 「この声、この声って…」 あの明るいプラムちゃんが…泣いていた。 「ぷ、プラムちゃん?」 「声、これ、これあ、あ、あぁ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁ!!!!!!」 突然叫びだしたプラムちゃん、私は覚声機を持ったまま怯えた。 プラムちゃんはどうしてしまったのだろう?苦しそうだ。何か私に出きることは…… プラムちゃんは頭を抱え、身体をぶるぶる震わせて一頻り叫ぶと、眠るように気絶してしまった。 『おいおいお嬢ちゃん』 「え、あ、マ……マロロン」 驚いた。いつの間にかマロロンが座って私の事を見ていた。 睨まれている気がする。 『なんかあったみたいだな?』 「うん、プラムちゃんが……」 『それは見れば分かるぜ、まあここは俺に任せときな!あんたはその子の側にいてやってくれ!』 そう言うと、マロロンは全速力で走っていた。 暫くすると、アイベリーさんとマーマレードさんを連れたマロロンが戻ってきた。 『早く運んでくれよ!』 マロロンは伝わらないと分かっていてもそう言う。 まるでマロロンが何を言ったか分かるかのようにマーマレードさんとアイベリーさんは頷き合っていた。 『全くやれやれだぜ』 マロロンはオウマがトキのベッドに寝かされた主人を見守り、ほっと一安心しながら呟くと、私のほうに向き直った。 『ありがとな』 「え?」 私は間抜けな声をあげてしまった。怒られると思ったから。 『あいつに……親の声をまた聞かせてくれて』 「えっと……」 『詳しく知りたいか?』 マロロンの瞳を見て、私は首を降った。 『ううん、知らなくていい。知らないほうがいい事もあるって、教わったから』 マロロンはしばし黙ったのち、一言だけ私に聞いた。 『これからも……あいつの友達でいてくれるか?』 私は答えた。 「もちろん!ずっとずっと友達よ」 マロロンは嬉しそうに笑った気がした。 『そうか、ありがとう』
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AMX-01X ジャムル・フィン GUNDAM WAR UNIT U-11 赤 2-4-2 U 変形 高機動 宇宙 [1][2][3] モビルアーマー形態 高機動 [*][2][4] 禁忌の胎動 UNIT U-143 赤 2-3-2 C 変形 高機動 【(常時):《(1)毎》このカードが破壊されている場合、自軍捨て山の上のカード1枚を廃棄する。廃棄したカードがGである場合、このカードの破壊を無効にする】 宇宙 [2][2][3] MA形態 高機動 [*][2][4] 破壊無効は複数回使えるが、1カットに1回しか使えないので失敗すればそのまま廃棄される。成功するまで繰り返す、というわけにはいかない。
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緊縮は国民にも多大な痛みを伴う政策だが、これ以上財政赤字の傷口が開く前に今の内に、緊縮政策を行っていた方が未来の世代・将来の子どもたちのためになる。
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近年、秋になると道東海域でのサケ定置網にマンボウが大量にかかってしまうという異変が起きている。この異変を好機に変えて活かすべきなのではないだろうか。
https://w.atwiki.jp/gensouiri/pages/455.html
幻想郷に転任することになった。 動画リンク コメント 幻想郷に転任することになった。 何人目の幻想入りか 作者 ひとこと 主人公 動画リンク 新作 一話 コメント こっちも削除されています -- 名無しさん (2008-03-23 02 43 17) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/ws_wiki/pages/11445.html
AOT/S35-087 カード名:“生け捕りになった巨人”ソニー カテゴリ:キャラ 色:青 レベル:0 コスト:0 トリガー:0 パワー:1500 ソウル:1 特徴:《巨人》? 【自】 このカードが手札から舞台に置かれた時、あなたは自分の山札の上からX枚を、控え室に置いてよい。Xはあなたの《巨人》?のキャラの枚数に等しい。 【自】 [手札を1枚控え室に置く] このカードが手札から舞台に置かれた時、あなたはコストを払ってよい。そうしたら、あなたは自分のキャラを1枚選び、次の相手のターンの終わりまで、パワーを+1500。 ハンジ「まずは過去5回の捕獲時に行った 実験の反復から始めた」 レアリティ:R 15/08/28 今日のカード
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更新履歴-(編集者) ■2012/6/7 ○わしをコメントアウトから復帰(炎道牙突) ■2012/3/31 ○MDFMKにマスター就任。それに伴いメンバー紹介を一部更新(MD) ■2012/2/15 ○画像変更(MD) ■2012/01/19 ○名言コーナー編集(ミヌラ) ○メンバー紹介・クラン規約を更新(炎道牙突 ミヌラ) ○その他を名言コーナーに変更(炎道牙突) ○リンクを更新(炎道牙突) ■2012/01/18 ○トップ・メンバー紹介・その他を更新。基本俺に関する事だけだけど(炎道牙突) ○コメント板追加。自由に使っての(炎道牙突) ○リンクを追加。ほんとページだけ追加しただけ。友好クラン関係はマスターとかに聞いておきますわ(炎道牙突) ○メンバーのみだけど、会議室を利用出来るようにしました。ちゃんと使えよ?(炎道牙突) ■2012/01/10 ○その他を追加。名言?やら色々と辞書っぽいものを記載(炎道牙突) ■2012/01/09 ○更新履歴を追加。ってか何でこれを作ってなかったのかが謎(炎道牙突) ○メンバー紹介を更新。職種を追加。(炎道牙突) ○あ、後 新年明けましておめでとうございます 今年もお座りジャッジメントを宜しくお願い致します。 これわしが代表で書いて良かったん?(炎道牙突) ■それ以前 ○メンバー紹介(炎道牙突) ○クラン規約を更新(炎道牙突) ○他はわからん。(他っぽい)
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目の前には地を埋め尽くすようなアルビオン軍を前に、その使い魔は笑っていた。 「かみ に ケンカ を うる ひとびと が こんなに いる とは ! なんて ゆかいな セカイ だ! 使い魔はその独特の喋り方で感激している。 いつもは役者っぽくて、傲慢で、気に食わない奴だが、今回は頼もしく見えてなんだか悔しい。 「とっとと かたづけ なさいよ いけない、喋り方がうつってきている。 「かみ に めいれい するとは … それも ごしゅじん の サガ か … ひかりあれ! あんなにいた、アルビオン軍は、もはやどこにもいなくなっていた。 まるで最初からいなかったかのように、辺りは静寂に包まれている。 改めて、この使い魔は人間ではないと確信した。